top of page

「内因性耐性」を初出題、B評価多く 日臨技が精度管理調査報告会


 日本臨床衛生検査技師会は11月23日、2024年度臨床検査精度管理調査の総合報告会を千葉市で開いた。全10部門のワーキンググループ(WG)の各代表委員がそれぞれの調査結果について解説した。

 微生物検査部門では、細菌が生まれつき持っている「内因性耐性」を考慮した判定報告の問題を初めて出題した。35.3%の施設が内因性耐性を考慮した判定結果を回答せず、感受性測定には問題はなかったがB評価となった。

 試料33の薬剤感受性サーベイでは、VCM(バンコマイシン)に内因性耐性を示す菌種の1つであるE. casseliflavusを使用した。CLSIでは、内因性耐性を考慮した判定報告を求めているが、正しいカテゴリー判定の「R」と回答したA評価は63.2%にとどまり、「SまたはI」との回答を選択したB評価の施設が35.3%あった。

 報告したWG代表委員の口広智一氏(公立那賀病院)は、内因性耐性を考慮した判定報告の確認を求め、次年度以降、判定基準に合致しなければ不正解となる可能性があると注意を促した。

 また、LZD(リネゾリド)は微量液体希釈法での正解率が90.9%で、99%程度のほかの薬剤よりも低かった。口広氏は、一部の機種を中心にカテゴリー判定の不正解が見られたとした上で、LZDはEnterococcus属の感染症治療において最後のとりでとなる重要な薬剤だと指摘。カテゴリー判定の誤りは「絶対に避ける必要がある」と述べた。
2024.06.03_記事下登録誘導バナー_PC.png

その他の最新記事

bottom of page