「呼吸安定時間」で心不全増悪を早期検出 大阪大の研究グループRSTの治験結果を発表した(提供写真) 大阪大学の宮川繁教授(心臓血管外科学)、坂田泰史教授(循環器内科学)らの研究グループは昨年12月18日、吹田市の同大学内で記者会見し、睡眠中の呼吸安定性を示す「RST」(呼吸安定時間)をモニタリングすることで、症状が出る前に心不全の増悪を検出できたとの研究結果を発表した。 RSTは、体動を感知するセンサー付きのシート(医療機器)を寝具の下に引いて就寝するだけで測定できる。グループは今後、RSTを使った心不全管理の有用性を検討する多施設研究に参加し、患者の予後やQOLの改善につながる治療法について検討する予定にしている。 同日発表したのは、大阪大学など6つの医療機関が参加した医師主導治験の結果。これに基づき、体動情報解析プログラム「RST算出プログラム」がプログラム医療機器として昨年8月に承認されている。保険診療で使えるよう、関係学会と連携し、保険適用を求めていく方針。 坂田氏は同日の会見で、RSTは侵襲度が非常に低く有用な指標だとした上で、予後の改善などにつながる治療介入の方法が今後の課題の一つであるとの認識を示した。RSTによる治療介入は「その患者さん、患者さんごとの治療につながる一つの方法になるのではないか」と述べ、テーラーメード医療の実現に期待を示した。
RSTの治験結果を発表した(提供写真) 大阪大学の宮川繁教授(心臓血管外科学)、坂田泰史教授(循環器内科学)らの研究グループは昨年12月18日、吹田市の同大学内で記者会見し、睡眠中の呼吸安定性を示す「RST」(呼吸安定時間)をモニタリングすることで、症状が出る前に心不全の増悪を検出できたとの研究結果を発表した。 RSTは、体動を感知するセンサー付きのシート(医療機器)を寝具の下に引いて就寝するだけで測定できる。グループは今後、RSTを使った心不全管理の有用性を検討する多施設研究に参加し、患者の予後やQOLの改善につながる治療法について検討する予定にしている。 同日発表したのは、大阪大学など6つの医療機関が参加した医師主導治験の結果。これに基づき、体動情報解析プログラム「RST算出プログラム」がプログラム医療機器として昨年8月に承認されている。保険診療で使えるよう、関係学会と連携し、保険適用を求めていく方針。 坂田氏は同日の会見で、RSTは侵襲度が非常に低く有用な指標だとした上で、予後の改善などにつながる治療介入の方法が今後の課題の一つであるとの認識を示した。RSTによる治療介入は「その患者さん、患者さんごとの治療につながる一つの方法になるのではないか」と述べ、テーラーメード医療の実現に期待を示した。