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がんゲノムの専門家会議、実施拡大へ 連携病院でも可に

 厚生労働省は、がん遺伝子パネル検査の結果を多職種で検討するエキスパートパネル(EP、専門家会議)を一定の要件を満たしたがんゲノム医療連携病院も開催できるよう、整備指針を見直す。パネル検査の出検数が年50件以上、EP推奨の治療を実施した症例が年3例以上などの要件を設け、合致する連携病院を連携先の中核拠点病院や拠点病院が指定する。検査件数が増える中でもEPの結果が迅速に返却される体制を整備する。3月末までの指針改正を目指しており、4月以降、EPの実施体制が広がる見通し。


 がんゲノム医療を行う病院には、中核拠点病院(全国13カ所)、拠点病院(全国32カ所)、連携病院(全国211カ所)の3つの類型があり、EPは中核拠点と拠点病院が開催している。一方、連携病院には現在、EPの開催が認められておらず、自施設で行ったがん遺伝子パネル検査のEPは連携先の中核拠点や拠点病院が行っている。


 がん遺伝子パネル検査は保険収載から4年以上が経過し、検査件数は月1600~1800件程度まで増加している。これに伴いEPの結果返却が遅れる可能性が出ていることなどから、効率的な運用ができるように整備指針を見直す。一定の指定要件を満たす連携病院を「エキスパートパネル実施可能がんゲノム医療連携病院」に指定し、自施設の症例のEPを開催できる仕組みとする。これにより連携病院は今後、EP実施可能とそれ以外の病院の2種類になる。


 指定の要件は、▽がん遺伝子パネル検査の出検数が年50件以上▽EPで推奨された治療法へ到達した症例数が年3例以上▽遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリング数が年20例以上―などとする。厚労省によると、指定要件を満たす連携病院は全国で40施設程度とみられ、EPを実施する病院数は現在の倍近くに増える可能性がある。


●病理医の要件も見直し


 EPの実施要件も見直す。構成員の病理医は複数人が必要だったが、「がん遺伝子パネル検査に関連する病理学に関する専門的な知識および技能を有する常勤の医師」と変更した上で、1人以上の配置で可とする。また主治医の参加要件も緩和する。




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