がんゲノム医療拡大へ要件緩和 厚労省WG、専門家会議の省略など検討
- mitsui04
- 6月30日
- 読了時間: 2分
更新日:6月30日
がんゲノム医療中核拠点病院などの指定要件を検討する厚生労働省のワーキンググループ(WG)は6月16日、エキスパートパネル(EP)の省略例提示の検討など、今後のがんゲノム医療の方針案を了承した。関連学会の見解も踏まえたもので、がん遺伝子パネル検査の拡大を見据え、ゲノム医療の質を担保しつつEPなどを運用しやすくする。具体策は、EPの実施要件や、2026年度に予定されている整備指針の改定に反映させる方向だ。
がん遺伝子パネル検査は2019年度に保険適用されて以降、実施数が拡大し、すでに「がんゲノム情報管理センター」(C-CAT)の登録は10万例を突破。今年6月現在で282施設のがんゲノム医療中核拠点病院などが整備されている。
こうした背景を踏まえ、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本癌学会は合同で、「次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づく固形がん診療に関するブリーフィングレポート」をまとめた。同日のWGでは、座長としてブリーフィングレポートをまとめた京都大学大学院教授の武藤学氏が参考人として出席。同レポートを踏まえ、EPを省略できる条件の検討のほか、▽EP構成員の要件の緩和▽実施医療機関の拡大▽C-CATへの臨床情報の登録が医療現場で利活用できるよう改訂すべき―などを提言した。
これを踏まえ厚労省は今後の方針案を提示。具体的には、固形がんのEPでは省略可能な症例の考え方を明確化していく。例えば、検査が薬事承認されたコンパニオン診断機能の結果で、治療薬が適応内でアクセス可能な場合、主治医判断でEP省略可とした。
がん遺伝子パネル検査を実施できる施設の拡大については、整備指針の改定議論の中で、検討していく。
