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グラム染色の標準化へ素案 臨床微生物学会


 日本臨床微生物学会の微生物検査標準化検討委員会(清祐麻紀子委員長、九州大学病院)は、尿検体のグラム染色標本の作製について標準プロトコルの素案をまとめ、2月10日の学術集会のセッションで報告した。素案では、無遠心検体10μLを滴下後、塗り広げずに自然乾燥させることなどを示した。素案を基に今後も委員会で議論を続け、正式な案をまとめる方針。


 素案は、▽オーダーでは無菌採取検体とそれ以外を区別する▽前処理は原則、遠心せず原尿を使う▽スメア標本の検体量は10μLとし、滴下後、塗り広げず自然乾燥する▽グラム染色のカウントは 米国微生物学会のCMPH(Clinical Microbiology Procedures Handbook)の4版を採用する―など。委員会ではあくまでも案だとしており、このまま採用しないよう注意を呼びかけている。


 CMPHでは、無遠心10μLを滴下後、塗り広げずに標本を作製すると規定し、鏡検で1視野に1菌体があると10の5乗CFU/mLの菌量に相当する、としている。CMPHのプロトコルに条件をそろえることで塗抹検査結果から菌量の目安を把握できるようにする。清祐委員長は同日の学術集会のセッションで、「塗抹(検査)に定量性を求めたい」と素案作成の狙いを述べた。


●標本作製の手順にばらつき


 微生物検査標準化検討委員会は、2月の学術集会の開催に先立ち、昨年12月から今年1月にかけてグラム染色による塗抹検査についてアンケート調査を実施した。その結果、グラム染色標本の作製プロトコルは施設によってばらつきがあることが分かった。


 アンケート調査には全国の460施設が回答した。


 調査結果によると、尿の一般細菌を対象にしたグラム染色標本の作製について、「尿を遠心せず10μLを塗抹」が約70%と最多で、次いで「尿を遠心せず1μLを塗抹」が約19%と多かった。一方で、遠心沈渣を使う施設が3.5%あった。


 無遠心尿をスライドガラスに滴下後、「塗り広げて乾燥」させている施設が約49%、「塗り広げずに乾燥」させている施設が約41%となり、ほぼ二分する結果だった。鏡検については、倍率100倍での炎症所見の観察を全ての検体で行っている施設が約62%、痰・喀痰で行っている施設が約27%で、観察していない施設が約6%あった。

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