患者の報告が増加している劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)について厚生労働省は1月17日付で、分離株の解析を求める通知を全国の自治体などに出した。地方衛生研究所などで解析するため、患者の発生を届け出た医療機関に対し保健所から分離株の分与を依頼するよう求めている。
STSSの主な病原体はA群、B群、G群などのレンサ球菌だが、全てのレンサ球菌感染症が劇症型になるわけではなく、そのメカニズムは分かっていない。劇症型は、発熱や体の痛みなどを発端とし、多臓器不全を伴うショック症状に急速に進行する。致命率は30~70%と高い。
国立感染症研究所の解析によると2023年後半から、他のM1型より毒素の産生量が多く伝播性も高いM1UK株によるSTSSが増加しており、「この株による国内STSS発生状況を把握するため菌株や疫学情報の収集が必要」となっている。