尿の微生物検査の標準化目指す 学会委員会がプロトコル策定 日本臨床微生物学会の微生物検査標準化検討委員会(清祐麻紀子委員長=九州大学病院)が、尿検体の微生物学的検査について標準化プロトコルの策定を進めている。これまでにグラム染色などの実態調査、検体塗布や菌量判定の実証研究を行ってきた。こうした結果に基づき、検体採取から結果報告までを通じたプロトコルを2026年度中にまとめる方針。 名古屋市で1月に開かれた同学会総会・学術集会で委員会企画があり、委員長の清祐氏が検討の状況などを報告した。清祐氏は席上、「日本の感染症診断にとって意義のある検査のための標準化プロトコルを目指す」と述べ、「さまざまな規模の施設が目指せる基本のルール」を策定すると表明した。また、グラム染色の重要性についても記載する考えも示した。 検討委員会は、2年前の学会総会で行われた標準化のワークショップの座長・演者ら15人で2023年度に発足した。最初に取り組むテーマを尿検体と決め、2023年度から検討を始めた。 全国の460施設が回答した2023年12月の実態調査では、細菌数の判定に米国微生物学会のハンドブック(CMPH)の判定基準を6割が採用する一方、施設独自の基準や「臨床微生物検査ハンドブック」を根拠とする施設がそれぞれ15%、10%あり、統一されていない実態だった。また、培養検査の検体量は10μLと1μLに分かれ、1μL使用施設が2割程度認められた。さらに、培養時に遠心操作を行う施設が1割近く認められた。 2024年度は、委員会メンバーの認識を一致させるため、感染症専門医や微生物検査技師、病棟看護師を講師に招いた勉強会を4回開いた。さらに昨年末には委員会メンバーの4人が、実際に菌株を使った検体塗布などの実証研究も行った。
日本臨床微生物学会の微生物検査標準化検討委員会(清祐麻紀子委員長=九州大学病院)が、尿検体の微生物学的検査について標準化プロトコルの策定を進めている。これまでにグラム染色などの実態調査、検体塗布や菌量判定の実証研究を行ってきた。こうした結果に基づき、検体採取から結果報告までを通じたプロトコルを2026年度中にまとめる方針。 名古屋市で1月に開かれた同学会総会・学術集会で委員会企画があり、委員長の清祐氏が検討の状況などを報告した。清祐氏は席上、「日本の感染症診断にとって意義のある検査のための標準化プロトコルを目指す」と述べ、「さまざまな規模の施設が目指せる基本のルール」を策定すると表明した。また、グラム染色の重要性についても記載する考えも示した。 検討委員会は、2年前の学会総会で行われた標準化のワークショップの座長・演者ら15人で2023年度に発足した。最初に取り組むテーマを尿検体と決め、2023年度から検討を始めた。 全国の460施設が回答した2023年12月の実態調査では、細菌数の判定に米国微生物学会のハンドブック(CMPH)の判定基準を6割が採用する一方、施設独自の基準や「臨床微生物検査ハンドブック」を根拠とする施設がそれぞれ15%、10%あり、統一されていない実態だった。また、培養検査の検体量は10μLと1μLに分かれ、1μL使用施設が2割程度認められた。さらに、培養時に遠心操作を行う施設が1割近く認められた。 2024年度は、委員会メンバーの認識を一致させるため、感染症専門医や微生物検査技師、病棟看護師を講師に招いた勉強会を4回開いた。さらに昨年末には委員会メンバーの4人が、実際に菌株を使った検体塗布などの実証研究も行った。