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尿細胞診と尿沈渣が連携、異型細胞報告が約4倍 舞鶴医療センターの佐伯氏が報告

神戸大病院で開かれたカンファレンス
神戸大病院で開かれたカンファレンス
 尿細胞診と尿沈渣の連携をテーマにした泌尿器細胞診(別府)カンファレンスが2月15~16日、神戸市で開かれた。開催2日目に国立病院機構舞鶴医療センター臨床検査科の佐伯仁志氏が、連携の実例を報告した。尿検査担当の臨床検査技師に対し、細胞検査士が尿中異型細胞を見極めるノウハウを提供し相談ルールを決めたところ、以前に比べて報告件数が大きく増えた経験を話した。

 佐伯氏は講演で、尿沈渣検査で尿中異型細胞を報告することが「泌尿器系腫瘍を検出する手段として有用」と指摘。一般検査室と尿細胞診の連携によって、尿中異型細胞検出が向上した取り組みを報告した。

 報告したのは、一般検査の担当者の異動後、異型細胞の報告件数が15件から翌年56件に大きく伸びた実例。前任者も新任者も「一般検査室専属の経験がなく、尿沈渣は当直程度」だったが、新任者が「尿沈渣で異型細胞を拾いたい」と細胞検査士に相談し、あらかじめ相談ルールを決めた。

 具体的には、①肉眼的血尿②細胞集塊③円形細胞の比率が高い④個々の細胞異型が気になった時(N/C比大、核クロマチン増量、奇妙な形など)⑤前回検査も踏まえた時系列確認―に該当するケースは細胞検査士と議論する決まりにした。

 佐伯氏は、「当初は円形細胞の出現が気になったようで細胞質内封入体細胞が見られる検体ばかりの確認を求められたが、その都度、根気よくディスカッションした結果、半年たった頃から的を射た検体が非常に多くなってきた」と説明。尿沈渣と尿細胞診の担当者が話し合いの場を設けることで、異型細胞を拾い上げることができると呼びかけた。
2024.06.03_記事下登録誘導バナー_PC.png

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