微生物検査「標準手順書」を改訂 愛知県標準化協議会、釣菌基準を拡充mitsui045月19日読了時間: 1分 愛知県臨床検査標準化協議会はこのほど、「日常微生物検査における標準手順書」の改訂版(第2版)をまとめた。起炎菌の可能性があるコロニーの釣菌基準を材料別に示しているのが特徴で、改訂版は、外来、入院などの患者背景別の目安を示した。また、精度管理の章を新たに設け、内部精度管理の具体的な手順などを盛り込んだ。標準手順書は7~8月ごろ、協議会のホームページでPDFを無料で公開する。 改訂は2006年以来。2018年の医療法改正や新たな検査法などを踏まえて内容を全面的に見直した。検査前プロセス、塗抹検査、培養検査、材料別釣菌基準―など全9章で、ページ数(資料を除く)は初版の2倍以上となった。直近のガイドラインや成書を参考にしたが、文献がない場合などは作成委員会で議論した結果のコンセンサスを記載した。 手順書の最大の特徴は、作成委員会のコンセンサスとして釣菌基準が記載されていることだ。初版でも材料別に示していたが、第2版はさらに、患者背景や検体別に基準を示した。 例えば、呼吸器材料は「外来一般患者」と「入院・免疫抑制など」、消化器材料(糞便・抗菌薬関連下痢症)は「一般」と「小児・免疫抑制など」に分けて釣菌基準を示した。基準に用いた菌量の表現は、米国微生物学会の「Clinical Microbiology Procedures Handbook」(CMPH)第4版の結果判定基準に沿った。