第27回兵庫県医学検査学会が2月4日開かれ、シンポジウム「日当直・緊急検査に必要な検査」では、一般検査や化学・免疫検査、血液検査、輸血検査が取り上げられた。日常的に担当している検査以外の分野に対応するため、日当直時の不安を解消するための各検査の役割や知識、注意点などを共有する場となった。
兵庫医科大学病院臨床検査技術部の乾瑞起氏は生化学検査の日当直業務について、検査前プロセス、検査プロセス、検査後プロセスに分けた上で必要な知識や注意点などを紹介した。検査前プロセスでは測定結果に影響する因子を除去もしくは把握した上で分析装置を使うことや、検査後プロセスでは、検査システム(LIS)のアラーム設定などが有効活用できることを説明。自施設では希釈再検や反応タイムコースの確認、薬剤影響の確認などで活用しているとした。
一般検査では、県立尼崎総合医療センター検査部の中島和希氏が日当直等での尿検査のニーズや役割を探ったアンケート結果を報告した。近畿2府5県の臨床検査技師と医師を対象にしたもので、174施設の臨床検査技師からの回答では、時間外尿定性検査は約8割で、偽陽性・偽陰性の確認試験は約6割の施設で実施されていることや、尿沈渣検査の方法は鏡検法が約6割であることを紹介した。医師79人が回答した調査では尿定性検査は約9割、尿沈渣検査は約5割が必要と考えており、それぞれの検査で重要視する項目と理由も解説した。
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