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昨年5月の「検査」医療費は2508億円 コロナ影響で伸び止まる


 厚生労働省がこのほど発表した統計結果によると、昨年6月審査分(5月診療分)の「検査」の医療費の金額は、前年同月から横ばいで2508億8004万8630円(0.1%増)となった。医療費全体では2%以上増加しているが、「検査」の分野は、新型コロナ関係の検査点数が大きく目減りし、伸びが押さえ込まれた形になっている。

 厚労省は、6月に2023年社会医療診療行為別統計の結果を発表している。昨年6月に審査された全国のレセプトを診療行為別に集計したものだ。編集部は、統計結果から「検査」の部分を抜き出し、前年同月と比較した。統計結果は診療報酬点数で表記されているため、単価(1点10円)を掛けて金額に換算した。

 その結果、検査の内訳は以下の通りとなった。▽「検体検査実施料」は752億8518万8610円(前年同月比率7.5%減)▽「検体検査判断料」は653億3722万2540円(1.6%増)▽「生体検査料」は961億2972万2710円(5.3%増)▽「診断穿刺・検体採取料」は90億7260万3520円(4.3%増)。生体検査料には、眼科学的検査や超音波検査などのほかに内視鏡検査も含まれている。

●コロナ関係点数が大幅減

 検体検査実施料が前年同月から減少したのは、新型コロナ関係点数の影響が大きい。微生物学的検査の医療費は99億4038万1370円で、55%の大幅な減少となった。具体的な点数を見ると「細菌培養同定検査(口腔からの検体)」が29%増、「細菌薬剤感受性検査(1菌種)」が13%増などと従来法が大きく伸びている一方、「SARS-CoV-2核酸検出(検査委託)」は点数単価の引き下げもあって前年同月の1割、「SARS-CoV-2核酸検出(検査委託以外)」の点数は前年同月の4割にまで低下した。

2024.06.03_記事下登録誘導バナー_PC.png

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