
国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合して2025年度以降の設置を目指す「国立健康危機管理研究機構」(新機構)の設立準備会合(TOP会合)が12月22日、厚生労働省で開かれた。感染症危機管理のガバナンス(統制)を担う「統括部門」を設けることなどを柱とした「T-VISION」を取りまとめた。有事の際には理事長直轄の統括部門が必要事項を決定する。
T-VISIONでは、新機構を「これまでにない、世界の感染症対応の推進役となる、国内の感染症総合サイエンスセンター」とするための機能や組織体系を整備する方針を示した。メインの機能として、国内外の感染状況の収集や研究開発の促進基盤、臨床試験ネットワークを担うことを明記。また理事長直轄の統括部門を設けて、組織全体の戦略企画や総合調整を担わせる。研究・臨床事業部門との調整、人材育成などにも当たる。
研究・臨床事業部門では統括部門の支援を受け、国との人事交流による地方衛生研究所などの機能強化を図る。感染症対応医療機関などとの連携や国内外の臨床情報の収集・解析機能も強化する方針。