病理診断報告書、管理業務軽減へシステム構築など課題 関甲信・首都圏支部学会病理診断報告、管理業務めぐり議論 日本臨床衛生検査技師会の第60回関甲信支部・首都圏支部医学検査学会が10月26~27日まで、長野県軽井沢町の軽井沢プリンスホテルウエストで開かれた。学会2日目には病理診断での報告書管理体制をテーマとするシンポジウムがあり、現場の課題を探ったアンケート結果が報告された。報告書管理業務で臨床検査技師が中心的な役割を担っている実態が確認される一方で、管理業務に関する現場負担が大きく、電子カルテ等を活用したシステム構築や、報告書管理体制加算の増点が必要との意見があった。 2022年度診療報酬改定では、病理診断や画像診断の結果確認忘れを防ぐための「報告書管理体制加算」(退院時1回・7点)が新設され、臨床検査技師が報告書管理業務に携わるようになった。報告されたアンケートは、管理業務の実態や課題把握を目的としたもので主に長野県臨床検査技師会細胞研究班が設問等を担当。同支部内(1都8県)の病理検査室を対象に2024年6月下旬~7月末まで実施し、113施設から回答を得た。 結果を見ると、病理診断報告書の「未読防止対策を講じているか」では実施施設が100施設、未実施が13施設だった。実施施設に対し、「病理診断結果の未読確認」の担当者を聞いたところ(複数回答可)、最も多いのは臨床検査技師で71施設、次いで事務職24施設、病理医15施設、医療安全管理室10施設、看護師6施設と続いた。臨床検査技師のみが担当していたのは47施設だった。また、「病理診断結果の未読症例の再周知」の担当者(複数回答可)では臨床検査技師が51施設、事務職23施設、医療安全管理室19施設、病理医16施設、看護師7施設。再周知していないとの回答も6施設あった。●「医師の理解と協力」が必要 院内の「報告書確認対策チーム」の設置状況では、設置済み59施設、設置していないのは54施設。報告書管理体制加算では、算定しているのが48施設、算定していないのが65施設だった。報告書確認管理者の職種(複数回答可)では、最も多いのは臨床検査技師の55施設、次いで医師36施設、診療放射線技師32施設、看護師21施設で、不在が26施設あった。臨床検査技師のみが担当しているのは20施設だった。 報告書管理に対する自由記載では「医師の理解と協力が必要」「臨床検査技師等の未読確認者の負担が大きく、人員が足りない」「報告書管理体制加算の点数が少ない」「病理システムや電子カルテを利用したシステム構築による管理が望ましい」などを挙げる声が目立った。
病理診断報告、管理業務めぐり議論 日本臨床衛生検査技師会の第60回関甲信支部・首都圏支部医学検査学会が10月26~27日まで、長野県軽井沢町の軽井沢プリンスホテルウエストで開かれた。学会2日目には病理診断での報告書管理体制をテーマとするシンポジウムがあり、現場の課題を探ったアンケート結果が報告された。報告書管理業務で臨床検査技師が中心的な役割を担っている実態が確認される一方で、管理業務に関する現場負担が大きく、電子カルテ等を活用したシステム構築や、報告書管理体制加算の増点が必要との意見があった。 2022年度診療報酬改定では、病理診断や画像診断の結果確認忘れを防ぐための「報告書管理体制加算」(退院時1回・7点)が新設され、臨床検査技師が報告書管理業務に携わるようになった。報告されたアンケートは、管理業務の実態や課題把握を目的としたもので主に長野県臨床検査技師会細胞研究班が設問等を担当。同支部内(1都8県)の病理検査室を対象に2024年6月下旬~7月末まで実施し、113施設から回答を得た。 結果を見ると、病理診断報告書の「未読防止対策を講じているか」では実施施設が100施設、未実施が13施設だった。実施施設に対し、「病理診断結果の未読確認」の担当者を聞いたところ(複数回答可)、最も多いのは臨床検査技師で71施設、次いで事務職24施設、病理医15施設、医療安全管理室10施設、看護師6施設と続いた。臨床検査技師のみが担当していたのは47施設だった。また、「病理診断結果の未読症例の再周知」の担当者(複数回答可)では臨床検査技師が51施設、事務職23施設、医療安全管理室19施設、病理医16施設、看護師7施設。再周知していないとの回答も6施設あった。●「医師の理解と協力」が必要 院内の「報告書確認対策チーム」の設置状況では、設置済み59施設、設置していないのは54施設。報告書管理体制加算では、算定しているのが48施設、算定していないのが65施設だった。報告書確認管理者の職種(複数回答可)では、最も多いのは臨床検査技師の55施設、次いで医師36施設、診療放射線技師32施設、看護師21施設で、不在が26施設あった。臨床検査技師のみが担当しているのは20施設だった。 報告書管理に対する自由記載では「医師の理解と協力が必要」「臨床検査技師等の未読確認者の負担が大きく、人員が足りない」「報告書管理体制加算の点数が少ない」「病理システムや電子カルテを利用したシステム構築による管理が望ましい」などを挙げる声が目立った。