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肝腫瘤の超音波AIを開発 近畿大の西田氏が報告

講演する西田氏
 近畿大学医学部消化器内科の西田直生志教授は11月3日、大阪市で開かれた日臨技近畿支部医学検査学会で、肝腫瘤の超音波診断を補助するAI(人工知能)システムの開発について講演した。Bモードの動画像から肝腫瘤を検出し、さらに高頻度で確認される肝細胞がんや転移性肝がん、肝嚢胞、肝血管腫の4疾患を鑑別する。

 プロトタイプの性能をすでに確認し、対象施設を広げて性能試験を進めている。今後、企業に技術を導出し、2029年ごろの薬事承認の取得を目指している。

 西田氏らのグループは、AIで肝腫瘤を検出する「肝腫瘤検出器」と、4つの肝疾患をAIで鑑別する「肝腫瘤鑑別器」をそれぞれ開発した。両方を組み合わせて使い、肝がんのスクリーニングを支援する。

 プロトタイプAIの性能評価のため、6施設から臨床試験用の肝腫瘍の超音波動画像1683画像を新たに収集し、読影者20人が参加してAIの超音波診断支援効果を検討した。20人は、超音波専門医、超音波検査士各5人の熟練者10人、資格未取得の医師、医師以外各5人の初学者10人。

 その結果、AI支援下で4疾患鑑別の正診率は82%、悪性判別の正診率は90%であり、AIが肝腫瘤の検出、鑑別に有効であることが確認された。特に初学者群においてAI支援の効果が顕著で、熟練者群でも肝腫瘤検出感度や4疾患鑑別の正診率は有意に上昇した。
2024.06.03_記事下登録誘導バナー_PC.png

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