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胆道がん診断の新技術を開発 岡山大など、仮想の内視鏡画像を生成

研究責任者の松本氏
 岡山大学と両備システムズは7月24日、AI(人工知能)により胆道内視鏡の静止画像を色素散布(インジゴカルミン)の仮想画像に変換する技術を共同で開発したと発表した。この技術を使うと胆道がんの病変範囲が明瞭になり、術式の選択に有用だとしている。今後、良悪性を判断する機能を追加した胆道がんのAI診断支援システムを開発する計画。

 内視鏡による消化管がんの診断では、白色光、狭帯域光観察(NBI)、インジゴカルミン散布画像の3つの観察法がある。このうちインジゴカルミン散布画像の観察は病変範囲の認識が容易とされている。しかし、胆管内にインジゴカルミンを散布することは技術的に難しく安全性も確認されていない。このため岡山大などのグループは、白色光画像からインジゴカルミン散布の仮想画像を得る技術をAIにより開発した。開発には胃や大腸の内視鏡画像約3000枚を使った。

 胆道がん患者40人の胆道鏡画像計120枚について内視鏡医3人が確認したところ、今回開発した技術で得られた疑似画像は、表面構造、病変範囲において、白色光画像やNBI画像よりも視認性が優れているとの評価が有意に高かった。

 研究責任者である岡山大学病院光学医療診療部講師の松本和幸氏は同日の説明会で、日本胆道学会の認定指導施設は首都圏などに集中し、診療技術レベルに地域差があると指摘。「診療レベルを均てん化させるためにAIを使いたい」と述べ、AIによる胆道内視鏡の診断補助システムの開発を目指す考えを示した。

2024.06.03_記事下登録誘導バナー_PC.png

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