中医協は1月26日の総会で、臨床検査3件の保険適用を了承した。いずれも「E3(新項目)」で、2月の収載を予定する。
富士フイルム和光純薬が申請していた「ミュータスワコー S2,3PSA・i50」は、血中のS2,6PSAとS2,3PSAをLBA法(定量)で測定し、分画比S2,3PSA%を算出することで前立腺がんの診断を補助する。
同製品はフリーPSAのうち、S2,6PSAとS2,3PSA を測定して比を求めることで、PSA検査陽性者から、針生検を行う対象者をより適切に検出できる可能性がある。PSAが4.0~10ng/mLの患者検体を使って遊離型PSA比と比較した臨床性能試験では、特前立腺がん患者や良性の前立腺疾患患者の鑑別で遊離型PSA比より良好な性能だった。保険点数は、「D009 9 前立腺特異抗原(PSA)」(124点)の2回分を準用し248点となった。
東レの「APOA2-iTQ」は、血漿中のアポリポ蛋白A2(APOA2)アイソフォームを、ELISA法(定量)により検出し、膵がんの診断を補助する。APOA2アイソフォームは、腫瘍により起きた膵外分泌機能が変わることで、血中の濃度が変動することが明らかになっている。膵がんの診断に使われているCA19-9やDUPAN-2などは、がんから産生されるシアリルルイス糖鎖抗原を捕捉することから、同製品とは原理が異なり、CA19-9とは相補的なマーカーに位置付けられるため、膵がんの早期発見につながることが期待されるという。
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスが申請していた「ケミルミ TIMP-1」は、血清中の組織メタロプロテアーゼ阻害物質1(TIMP-1)を化学発光免疫測定法(定量)で測定し、肝臓の線維化進展の診断補助と、慢性肝疾患患者の病態進展を予測する。TIMP-1は、プロコラーゲン-Ⅲ-ペプチドとヒアルロン酸の測定とを組み合わせることで、線維化マーカーの一つであるELFスコアの算出が可能になる。
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