top of page

血中マイクロRNAで膵がん識別 京都大とアークレイが新技術


 京都大学大学院医学研究科消化器内科学の河相宗矩医員、福田晃久准教授、妹尾浩教授らの研究グループはAI(人工知能)を活用した、血液中のマイクロRNA(miRNA)の網羅的な解析で、膵がん発症の有無を高精度に識別できることを明らかにした。同グループでは「膵がんを早期発見できる侵襲性の低い新たな検査法となる可能性が示された」としており、体外診断用医薬品(IVD)として開発を進める方針。

 検証は、同大医学部附属病院を含む近畿2府4県の14医療機関で、アークレイとの共同研究として実施した。膵がん患者212人と、対照群の非がん患者213人の血中miRNAを次世代シーケンサーにより網羅的に測定。100種類のmiRNAの発現量データに8つのアルゴリズムを組み合わせ、AIにより膵がん患者を識別する判別モデルを作成した。

 判別モデルの識別能について、膵がんの腫瘍マーカーとしても使われるCA19-9と比較。CA19-9のAUC(ROC曲線下面積)は0.88だったが、miRNAモデルでは0.94と識別能が高かった。さらにmiRNAとCA19-9とを組み合わせた場合には0.99となり、より高精度に識別が可能になった。ステージ0とステージ1の早期膵がんでも、CA-19-9に比べてmiRNAによる識別が高い性能を示した。

 研究成果は、8月28日の国際学術誌「British Journal of Cancer」にオンライン掲載された。

Comments


その他の最新記事

bottom of page