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術後大腸がんのリキッドバイオプシーに有用性 国がん東病院など研究グループ


 国立がん研究センターと九州大学は9月17日、大腸がんの術後患者に対するリキッドバイオプシー(血中循環腫瘍DNA、ctDNA)の効果を検討した研究成果を発表した。術後2~10週でctDNAが陽性の場合、陰性に比べてがん再発の可能性が高く、生存期間も短いことが分かった。研究グループでは、ctDNA検査によって大腸がん患者の術後経過がより精密に予測でき、治療成績の改善が期待されるとしている。

 発表されたのは、大腸がんの外科治療でリキッドバイオプシーを活用して、適切な医療提供を目指すプロジェクト「サーキュレートジャパン」の検討結果。海外の1施設を含む152施設が参画し、大規模な医師主導国際共同臨床試験の「GALAXY試験」などを実施している。

 国立がん研究センター東病院と九州大学などの研究グループは、GALAXY試験に参加した2240人の患者データから、術後のctDNA検査結果と再発リスク、生存期間との関連を調べた。検査には米Natera社の「Signatera(シグナテラ)」を使った。

 その結果、術後2~10週でctDNAが陽性だった場合、陰性に比べて再発リスクが約12倍高く、また、術後2年後に再発していない割合は、陽性が20.6%、陰性が85.1%と大きな差があった。

 研究成果は、科学誌「Nature Medicine」(9月16日付)に掲載された。

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