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論文執筆の意義やノウハウを解説 神戸大・大﨑氏「検査技師だから気づけるテーマある」

講演する大﨑氏
 神戸大学大学院保健学研究科病態解析学領域の大﨑博之准教授は9月7日、日赤検査学術大会で「地方の中小規模病院の臨床検査技師でも研究はできる」をテーマに講演した。国立病院で病理、細胞診業務の実務経験を積んだ後、大学教員に転身し、関係学会から論文賞を受賞した立場から、臨床検査技師が論文執筆をする意義やノウハウを解説した。

 大﨑氏は、研究テーマの見つけ方について、日常の臨床現場での疑問のうち、文献等で未解決なテーマであれば取り上げることができると説明。自らのこれまでの研究テーマを具体例に挙げながら、研究内容や論文執筆までの流れなどを紹介した。

 関係学会等での発表と、論文執筆の違いにも言及した。学会発表については「対象が会場に来ている人のみで、発表時間にも制限があり、情報量としても不十分だ。一方、論文は日本語で書けば日本中、英語で書けば世界中の人に見てもらえる。情報も詳細に伝えることができ、今はウェブで半永久的に見ることができる」と述べた。論文執筆では個人の能力が向上するだけでなく、論文内容を通じて医療界に貢献できるとし、参加した若手検査技師らに対し「学会発表だけに満足せず、ぜひ、論文にしてほしい。現場の臨床検査技師だからこそ気付けるテーマが必ずある」などと呼び掛けた。

 現場の臨床検査技師が初めて行う研究、論文としては「症例報告が最適」であることも紹介した。症例報告を論文化する際は、▽まれな症例▽例外的な所見を呈した症例▽何らかの教訓や知見が必要―をポイントに挙げ、論文内容の構成やまとめ方などをわかりやすく示した。

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