酸塩基平衡の判読チャート・注意点など解説 医療検査科学会が「血液ガス検査」教本kona366月9日読了時間: 2分更新日:6月9日 日本医療検査科学会はこのほど、緊急時や手術時の酸塩基平衡を読み解くための「血液ガス・データ判読教本」をまとめた。酸塩基平衡を血ガス検査データから視覚的に判断するチャートや、判読時のピットフォールを臨床検査技師目線で分かりやすく解説した。酸塩基平衡が崩れた個別事例について、経緯・病態や検査データ、判読の考え方をセットで示しており、血ガス検査業務の入門書的なマニュアルになっている。 判読教本の柱の一つが、酸塩基平衡の状態を一目で読み解くチャートだ。血ガス検査で得られる「動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)」を縦軸に、「重炭酸イオン(HCO3-)」を横軸に、それぞれの検査データの交点でプロットすれば、何が原因で酸塩基平衡が崩れているかを読み解ける。呼吸性(肺)もしくは代謝性(腎臓)に起因するものなのか、さらに酸性に傾くアシドーシスか、アルカリ性に傾いているアルカローシスかを視覚化できる。 酸塩基平衡の事例の判読も盛り込んだ。呼吸性と代謝性をそれぞれアシドーシス、アルカローシスの計4カテゴリーに分けた上で、CO2ナルコーシスや敗血症など計13事例を取り上げている。各事例について、患者がその状態に至るまでの経緯や病態、詳細な検査データを示した上で、どういった原因で酸塩基平衡が崩れている可能性があるのか、判読のコツや注意点、関連エビデンスなどを掲載している。