RNAi治療薬を手がけるアルナイラム ジャパンは2月20日、急性肝性ポルフィリン症(AHP)の迅速スクリーニングキット「尿 PBG 迅速スクリーニングキット」(研究用)を医療関係者に無償提供すると発表した。医療関係者向けの同社サイト内に、申し込みの特設サイトを開設した。
AHPは10代後半から30代の女性に多いとされ、便秘や嘔吐を伴う激しい腹痛がある。診断に用いる尿PBGや尿ALAの定量検査、遺伝学的検査などが保険適用されているが、同社によると結果報告までに約10日かかり、迅速な診断が難しかった。
無償提供する検査キットは、採取した新鮮尿を試薬に加えて攪拌し、色調の変化で結果を判定する。キットには塩酸が含まれており、医療従事者が扱う必要があるという。
AHPは一部の薬剤で症状が悪化するとされ、検査キットを使うことでそうした薬剤の投与を回避できるとしている。AHPの診断促進のきっかけになることも期待している。
キットは3月中旬から発送する。申し込み後、1~2週間程度で到着し、使用まで2~8度で保管する。
同社は、AHPの治療薬「ギブラーリ」を2021年8月から販売している。
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