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〈記者コラム〉投票率 47%

 日本臨床衛生検査技師会の次期会長候補者に前副会長の横地常広氏が決まった。会員の幅広い意見を反映させるための議論の場づくりを掲げ、次世代のためのプラットフォームを整えたいというメッセージを訴えての当選。今年6月に予定される理事会で新会長に就任する見通しだ。


 個人的に注目していた投票率は地域差もあるが平均すると47.37%。2年前の44%に比べて、多少は上がったものの会員の約半数以上が投票していない。選挙に興味がない会員だけでなく、次期会長を事実上決める選挙があったことすら知らない会員も少なくはないのだろう。多くの会員に投票してもらえる環境づくりを考える際、会員ページでの立候補趣旨の掲載や、各技師会らによる呼び掛けだけでは限界があるようにも感じる。


 投票率を高める工夫はいろいろあるだろうが、日臨技の課題や目指す方向性を巡って各候補者が議論する、公開討論会を開く試みも面白いかもしれない。候補者が日臨技のビジョンを語る際の表情や言葉の選び方、話し方の強さ、何気ない会話からにじみ出る人柄など、文字情報だけでは感じ取れない何かを浮き彫りにする情報へのニーズはあるように思う。スマホで動画を見る習慣が根付いた今、その様子を公平中立かつ臨場感のある動画コンテンツで提供できれば多くの会員の関心も高まってくるのではないか。


 リーダーを決める直接選挙でどれだけの会員が意思表示をするかということは、職能団体の成熟度合いを示すバロメーターの1つだ。約7万人の会員が、未来の舵取りを任せる会長選挙に関心を寄せることができなければ、国政選挙で臨床検査技師資格を持つ議員を送り出すといったその先の課題は乗り越えられない。(水)

2024.06.03_記事下登録誘導バナー_PC.png

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