臨床検査技師のキャリアデザインをテーマにしたボードゲームをつくるプロジェクトがクラウドファンディングを実施している。養成校の学生や若手の技師などに、ゲームを通して臨床検査技師は多様な働き方ができることを知ってもらい、自身のキャリア戦略を考えてもらうためのものだ。
私は、大学の人文学部を卒業したものの、特に何の資格も持たず社会に出た。転職を重ねて現在、MTJの記者をしており、キャリアについて深く考えて生きてきたとは言いがたい。そんな私から見ると、臨床検査技師は国家資格取得を視野に入れて進学しており、学生時代からキャリアについて考えていた人々だ。クラウドファンディング実施中のボードゲームは、臨床検査技師になってから先のキャリア形成を考えることにつながる。
ボードゲームは8つのカテゴリー(外部環境の変化、学校、専門性、学術活動、職業、役職、体質、イベント)のカードがある。専門性のカードには「認定一般検査技師」や「二級臨床検査士」などがあり、さまざまな認定資格を知ることができる。職業のカードは「臨床検査技師(病院)」「研究・技術職(企業)」など、働く場の多様な選択肢を示すものになっている。プレーヤーは、これらのカードを引いて個人のボードへ配置して、キャリアを形成していく。
多様な働き方や活躍の可能性を示されると、学生や若手のモチベーションは上がりそうだ。すでにキャリアを積み重ねている人にとっても、臨床検査技師の存在意義を再確認することになるかもしれない。(河)