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〈記者コラム〉HPV検査導入に思うこと

 厚生労働省ががん検診の指針を改正し、30歳以上女性の子宮頸がん検診にHPV検査単独法が4月から導入できるようになる。どのくらいの自治体が取り入れるかまだ見通せないが、2年に1回、検診受診者全員に行われてきた細胞診が5年に1回のHPV検査の陽性者だけになるのだから件数の減少は避けられない。細胞診の重要性はもちろん変わらないとはいえ、国の制度や政策が変わると、ダイレクトに影響が及ぶということを改めて思い起こさせる。


 社会や価値観などの変化によって政策や制度は変わる。いま想定される医療制度分野での一番の変化は、人口減少とDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進だろう。医療費が若い人の7倍以上とされる高齢者が増え、医療サービスの需要が増えてきたが、2040年ごろから高齢者も減り始め、医療サービスの全体量は縮小に向かう。医療の供給量を調整するような制度改正がこれから進むだろう。多くが公的医療制度の下で仕事をしている臨床検査技師の皆さんだって無関係ではいられないはずだ。


 医療DXが進み、個人がデジタルツールを使って自分の健康や病気を生涯を通じて管理できるようにもなる。この変化の多くはおそらく公的医療保険制度の枠外で起こる。重要になるのは、公的制度の下で守られてきたサービスの信頼性や専門性の担保だ。


 変化に対応する鍵は予見性である。いつどんなことがありそうか見通し、事前に準備する。検査界全体としてその機運を高めていきたい。(枇)

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