新年度を迎え、医療機関や企業では4月1日に入職式や入社式が行われたと思う。臨床検査技師としてキャリアのスタートを切った新入職員を迎えた職場も多いのだろう。自分自身はいろいろな経緯があり、入社式を経験したことがなく、何となくうらやましい気もしている。
新人の皆さんは、これからどんなキャリアを積むことになるのだろう。臨床検査技師が担う業務は幅広く、一つの業務を極めたい、あるいはさまざまな業務を経験してみたいと思いを巡らせているところではないだろうか。
ちょうど今年度から、医師の働き方改革が本格的にスタートした。2024年問題としてニュースで取り上げられることの多い話題だが、いくつかの業種を除き、その取り組みは2019年以降、社会全体としては取り組みが進められている。
2024年問題として捉えられているのは、これまで業務の特殊性などで長時間労働が慣例化していた、建設業、トラックドライバー、バス・タクシーの運転士、医師の4職(業)種について、法的な猶予期間が終了し、時間外労働の上限規制が適用となることだ。勤務医の時間外労働は、休日労働も含めた上限は年960時間。地域医療提供体制確保のため、やむをえず上限を超える場合は、年1860時間となる。
言うまでもないが、臨床検査技師にとっても医師をはじめとした働き方改革は無縁ではない。医療におけるタスクシフト・シェアは進展してきているが、これからもさらなる取り組みが医療現場には求められる。少子高齢社会となり、これからの人口減少とともに労働者の減少も続く。社会的な縮小均衡に向かうとも言えるのだろうが、臨床検査技師にとっては業務拡大にもつながる可能性がある。
新入職員の皆さんが組織を率いる立場になる頃には、臨床検査技師としてみても、今と違った医療の風景が広がっていることを期待したい。(下)
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