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〈記者コラム〉リスキリングは、リスクを念頭に

 職業能力の再開発や再教育を意味する「リスキリング」という言葉をご存じだろうか?


 初めてこの言葉を聞いた時、私の頭の中に浮かんだのは単語は「Reskill」ではなく、「Risk(リスク)」だった。臨床検査室に関する国際規格ISO15189:2022で「リスクマネジメント」が重視されており、危険性を意味するリスクという言葉に触れる機会が多かったため、「リスキリング」と聞いて「リスク」を管理する新たな手法かな?と考えたのだが、それは間違いだった。


 「リスキリング」という言葉は、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI(人工知能)などの新たなデジタル技術の導入の必要性が高まる中、専門的な知識・技術を持つ人材が不足し、従業員の再教育が必要とされていることを背景に出てきたようだ。デジタル技術の導入で新しい仕事が増えたり、これまでの仕事の仕方が大幅に変わる可能性があるため、これに対応する目的で従業員の「学び直し」が求められている。


 私自身の仕事に照らし合わせて考えてみると、記事の執筆はいずれ「ChatGPT」のような生成AIが担当するようになるかもしれない。自分が現在携わっている業務の一部は、いずれAIに取って代わられる「リスク」があるということを念頭に置いておく必要がありそうだ。


 ただ、そのリスクを恐れるのではなく、良い緊張感に変えて、自分にどのようなスキルを新たにプラスすれば有用な人材となるのか。私自身の「リスキリング」を考えてみたい。


 臨床検査の業務でも今後、デジタル技術などの導入が進み、従来とは業務の内容が変わっていくだろう。臨床検査技師だからこそできる仕事は何なのか。新たにどのような知識、技術を身に付けるべきなのか。リスキリングに取り組んでいる事例などがあればぜひ、教えていただきたい。(河)

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