〈記者コラム〉棚卸し 2025年となって早くも節分を過ぎた。時の流れるスピードは年を取るにつれ高まっていくのを強く感じる。 厚生労働省の医療技術評価分科会が先ごろ開かれ、2026年の診療報酬改定に向けた準備を始めた。昨年6月に改定が行われたばかりでもうそんな時期かと思うが、実際に学会などからの要望は6月に締め切られ、秋ごろから診療報酬改定に盛り込む技術について本格的な検討に入ることになる。 厚労省は分科会の席上、新たな技術の収載要望だけでなく、臨床で使われなくなった技術の削除要望を受け付けることを改めて留意する方針を示した。もちろんこれまでも削除要望や技術の整理についての要望は関係医学会などから出されている。 実際、2024年改定でも臨床検査領域では、日本臨床検査振興協議会をはじめとした団体の要望で「微生物核酸同定・定量検査 細菌核酸検出(白血球)(1菌種当たり)」など4項目が削除された。体外診断用医薬品の販売が終了しており、臨床的有用性が低いことなどがその理由だ。 厚労省が削除提案について留意を求めるのは、医療技術の進歩で相対的に有用性の低い技術が使われなくなるものの、そのまま残しておくと診療報酬点数表が肥大化してしまうからだ。特に検査は工学技術の進展で技術革新が著しい。こうした作業は棚卸しに近いような気もしている。次期診療報酬改定では新たな保険適用だけでなく、点数表から消えていく技術にも着目したい。(下)
2025年となって早くも節分を過ぎた。時の流れるスピードは年を取るにつれ高まっていくのを強く感じる。 厚生労働省の医療技術評価分科会が先ごろ開かれ、2026年の診療報酬改定に向けた準備を始めた。昨年6月に改定が行われたばかりでもうそんな時期かと思うが、実際に学会などからの要望は6月に締め切られ、秋ごろから診療報酬改定に盛り込む技術について本格的な検討に入ることになる。 厚労省は分科会の席上、新たな技術の収載要望だけでなく、臨床で使われなくなった技術の削除要望を受け付けることを改めて留意する方針を示した。もちろんこれまでも削除要望や技術の整理についての要望は関係医学会などから出されている。 実際、2024年改定でも臨床検査領域では、日本臨床検査振興協議会をはじめとした団体の要望で「微生物核酸同定・定量検査 細菌核酸検出(白血球)(1菌種当たり)」など4項目が削除された。体外診断用医薬品の販売が終了しており、臨床的有用性が低いことなどがその理由だ。 厚労省が削除提案について留意を求めるのは、医療技術の進歩で相対的に有用性の低い技術が使われなくなるものの、そのまま残しておくと診療報酬点数表が肥大化してしまうからだ。特に検査は工学技術の進展で技術革新が著しい。こうした作業は棚卸しに近いような気もしている。次期診療報酬改定では新たな保険適用だけでなく、点数表から消えていく技術にも着目したい。(下)