HIV予防投薬は「検査とパッケージで」 治療・研究開発センターの岡氏講演する岡氏 HIV感染症の治療薬「ツルバダ」が今年8月、HIV感染予防の目的で日本でも使えるようになった。感染リスクが高い人が予防的に服用する「PrEP」(プレップ、暴露前予防)での使用を厚生労働省が日本で初めて同月28日付で承認した。 国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センターの岡慎一名誉センター長は9月25日、製薬企業が開いたセミナーで講演し、新規HIV感染者をゼロとする目標達成に向けて「非常に大きな一歩」と承認の意義を述べた。さらに「PrEPは必ず検査とパッケージで行うことが重要だ」と強調した。 PrEPは99%以上の感染予防が可能とされ、世界保健機関(WHO)は2015年にガイドラインで、HIV感染リスクが高い人への実施を推奨している。ツルバダは2012年に米国で、2016年に欧州でそれぞれPrEPの使用が認可されている。岡氏によると先進国では日本だけPrEPが認可されていなかったという。 HIV感染者の治療に使う場合は他の薬剤と組み合わせるのに対し、PrEPではツルバダだけを1日1回1錠服用する。岡氏は「(ツルバダ単剤の服用では)治療薬としては不十分で、耐性ウイルスが出てしまう可能性がある」とし、開始前のHIV検査で陰性を確認することが重要だとした。資料はこちら
講演する岡氏 HIV感染症の治療薬「ツルバダ」が今年8月、HIV感染予防の目的で日本でも使えるようになった。感染リスクが高い人が予防的に服用する「PrEP」(プレップ、暴露前予防)での使用を厚生労働省が日本で初めて同月28日付で承認した。 国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センターの岡慎一名誉センター長は9月25日、製薬企業が開いたセミナーで講演し、新規HIV感染者をゼロとする目標達成に向けて「非常に大きな一歩」と承認の意義を述べた。さらに「PrEPは必ず検査とパッケージで行うことが重要だ」と強調した。 PrEPは99%以上の感染予防が可能とされ、世界保健機関(WHO)は2015年にガイドラインで、HIV感染リスクが高い人への実施を推奨している。ツルバダは2012年に米国で、2016年に欧州でそれぞれPrEPの使用が認可されている。岡氏によると先進国では日本だけPrEPが認可されていなかったという。 HIV感染者の治療に使う場合は他の薬剤と組み合わせるのに対し、PrEPではツルバダだけを1日1回1錠服用する。岡氏は「(ツルバダ単剤の服用では)治療薬としては不十分で、耐性ウイルスが出てしまう可能性がある」とし、開始前のHIV検査で陰性を確認することが重要だとした。資料はこちら