LDTの質確保へ論点さまざま 振興協議会がシンポ関係者がLDTの課題などを討論した 日本臨床検査振興協議会は2月15日、「Laboratory Developed Test(LDT)」をテーマにしたシンポジウムを東京都内で開いた。会内ワーキンググループ(WG)のメンバーら6人が難病の遺伝学的検査や感染症検査、病理診断などでのLDTの役割と課題を報告し、診療に欠かせない検査であることを確認した。LDTの品質確保へ法令の整備を求める意見の一方、検査技術の進歩を阻害しないように留意すべきだとの指摘もあり、さまざまな論点が浮かんだ。 同日のシンポジウムでWGメンバーの前川真人氏(浜松医科大学医学部)は、質保証が不明の薬事未承認の検査が行われているなど、3つの課題を指摘。その上で、難病の遺伝学的検査や、技術や治療薬の進歩が早くアップデートが頻繁な検査などはIVDではなくLDTが望ましいとし、「LDTを活用できるよう法令を整備することが望まれる」と述べた。 難病を専門する臨床医の小崎健次郎氏(慶應義塾大学医学部)は、「目の前の患者さんにとっては(診断がつくかどうかは)命の問題だ」とし、難病医療でLDTは欠かせないことを強調した。 日本病理学会常任理事の佐々木毅氏(慶應義塾大学医学部)は、病理診断で用いられる免疫染色試薬の多くは薬事承認されていない研究用試薬(RUO)だと説明。免疫染色の結果によって病理診断が異なってくることから品質確保が重要なことを指摘した。 WGメンバーの栁原克紀氏(長崎大学大学院)は感染症検査の立場から報告し、LDTは診断、感染対策、新興感染症への対応―の3つの役割があると説明。院内感染対策などを講じる上で必要な遺伝子解析が公的保険の対象外で、コスト負担の課題があることを指摘した。●規制すると課題も 日本臨床検査薬協会常務理事の繁田勝美氏は、メーカー側から見たLDTについて報告した。LDTを薬機法の規制対象にすると、対応できない医療機関が検査をやめる恐れがあるとし、「さまざまな観点からLDTの品質などを評価・監視するための仕組みについて検討することが今後の課題」と述べた。資料はこちら
関係者がLDTの課題などを討論した 日本臨床検査振興協議会は2月15日、「Laboratory Developed Test(LDT)」をテーマにしたシンポジウムを東京都内で開いた。会内ワーキンググループ(WG)のメンバーら6人が難病の遺伝学的検査や感染症検査、病理診断などでのLDTの役割と課題を報告し、診療に欠かせない検査であることを確認した。LDTの品質確保へ法令の整備を求める意見の一方、検査技術の進歩を阻害しないように留意すべきだとの指摘もあり、さまざまな論点が浮かんだ。 同日のシンポジウムでWGメンバーの前川真人氏(浜松医科大学医学部)は、質保証が不明の薬事未承認の検査が行われているなど、3つの課題を指摘。その上で、難病の遺伝学的検査や、技術や治療薬の進歩が早くアップデートが頻繁な検査などはIVDではなくLDTが望ましいとし、「LDTを活用できるよう法令を整備することが望まれる」と述べた。 難病を専門する臨床医の小崎健次郎氏(慶應義塾大学医学部)は、「目の前の患者さんにとっては(診断がつくかどうかは)命の問題だ」とし、難病医療でLDTは欠かせないことを強調した。 日本病理学会常任理事の佐々木毅氏(慶應義塾大学医学部)は、病理診断で用いられる免疫染色試薬の多くは薬事承認されていない研究用試薬(RUO)だと説明。免疫染色の結果によって病理診断が異なってくることから品質確保が重要なことを指摘した。 WGメンバーの栁原克紀氏(長崎大学大学院)は感染症検査の立場から報告し、LDTは診断、感染対策、新興感染症への対応―の3つの役割があると説明。院内感染対策などを講じる上で必要な遺伝子解析が公的保険の対象外で、コスト負担の課題があることを指摘した。●規制すると課題も 日本臨床検査薬協会常務理事の繁田勝美氏は、メーカー側から見たLDTについて報告した。LDTを薬機法の規制対象にすると、対応できない医療機関が検査をやめる恐れがあるとし、「さまざまな観点からLDTの品質などを評価・監視するための仕組みについて検討することが今後の課題」と述べた。資料はこちら