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MDRPの耐性基準、CLSIに統一へ 厚労省AMR小委、名称は「多剤耐性緑膿菌感染症」に

web形式で開かれた委員会
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 厚生労働省の薬剤耐性(AMR)に関する小委員会は2月26日、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症の日本語名称変更と、届け出基準における各抗菌薬の耐性基準の変更を了承した。いずれか1剤のみ耐性の緑膿菌による感染症を届け出対象と誤認する医療機関があるため、名称を「多剤耐性緑膿菌感染症」に改める。届け出基準での各抗菌薬の耐性基準は、現場の混乱を軽減するため米国臨床検査標準協会(CLSI)の基準に変更する。

 事務局は、名称変更について、現在の「薬剤耐性緑膿菌感染症」が複数の抗菌薬に耐性を示す多剤耐性株ではなく、いずれか1剤のみ耐性の緑膿菌による感染症を届け出対象と誤認して届け出る医療機関があると説明。誤解を避けるため「多剤耐性緑膿菌感染症」とすることを提案し了承された。

 届け出基準における各抗菌薬の耐性基準については、MDRP感染症の届け出基準と、国内の臨床現場で広く使用されているCLSIの基準が一致していない現状を指摘。現場の混乱を避けるため、2019年以降の最新のCLSI基準に統一する。

 具体的には下記とする。

▽イミペネム(IPM)、メロペネム(MEPM)ともに最小発育阻止濃度(MIC)が8μg/mL以上(阻止円直径が13mm以下)

▽アミカシン(AMK)はMICが64μg/mL以上(阻止円直径が13mm以下)

▽シプロフロキサシ ン(CPFX)はMICが2μg/mL以上(阻止円直径が13mm以下)

▽レボフロキサシン(LVFX)はMICが4μg/mL以上(阻止円直径が13mm以下)

 参考人として出席した臨床検査技師の中村竜也氏(京都橘大学教授)は、届け出基準等の変更が多くの現場に影響を与えることを指摘。病院検査室や検査センターではシステム変更、改修が必要になるとし、基準変更等の早期の周知を求めた。

●対象抗菌薬の変更は継続審議

 一方、届け出基準の対象抗菌薬の変更については、事務局案への意見がいくつかあったため、大曲貴夫委員長(国立国際医療研究センター病院)は「もう少し整理が必要」と継続審議とする意向を示した。

 次回会合は早ければ5月にも開かれる見込み。厚労省は今夏までには届け出基準等を整理したい考えで、その後、基準変更等に伴う省令改正等を進め、2026年4月からの変更を目指す。

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