業務拡大「学会・団体との調整が近道」 睡眠学会で日臨技・板橋氏mitsui047月14日読了時間: 2分更新日:7月14日 日本臨床衛生検査技師会政策調査課の板橋匠美氏は6月29日、広島市で開かれた日本睡眠学会のシンポジウムで、タスクシフト・シェアの観点から、睡眠医療において臨床検査技師がこれまで以上の役割を担うための方策を提言した。業務拡大への制度見直しを求める場合は「関連学会と職能団体で整理・調整を行うのが近道だ」と指摘した。 シンポジウム「睡眠医療の未来を担う検査技師の役割」で講演した。板橋氏の提言を踏まえ、共著者で座長を務めた日臨技副会長の山寺幸雄氏は、臨床検査技師が積極的にタスクシフトの実績をつくっていく重要性を強調。そうでないと「次の交渉ができなくなる」とし、「まず自分たちの積極性を出してほしい」と臨床検査技師に呼びかけた。 板橋氏が今回調べたところ、睡眠医療に関する臨床検査技師の主な業務として▽睡眠ポリグラフ検査(PSG)の準備・実施・解析・報告▽簡易検査(検査施設外睡眠検査〈OCST〉、アクチグラフ、パルスオキシメータ)▽CPAP関連業務▽日中検査▽睡眠衛生指導などの周辺業務―が実施されていた。 一方で施設間の業務差も見られ、その要因は「法解釈の違い」(臨床検査技師がどこまで関与できるかは施設判断による面が大きい)、「睡眠専門医・RPSGT(米国BRPT認定の睡眠検査資格)の有無」(専門の医師などが在籍することで技師の裁量が広がる傾向)、「教育・研修環境」(スキル獲得の機会に差)、「対象疾患の範囲」(閉塞性睡眠時無呼吸症候群中心か、過眠症やパラソムニアも扱うかで、技師の関与領域が変化)―などが考えられるとした。