日本臨床検査薬協会と日本OTC医薬品協会は、穿刺血を用いる一般用検査薬(OTC検査薬)について、研修を受けた薬剤師が販売するなどとした案をまとめ、3月11日の厚生労働省の部会に示した。抗血栓薬を服用している人には販売せず、穿刺針の使用や廃棄の方法などはチェックシートを使って購入者に説明する。2団体は、血液検体を認めるよう求めたが、部会の委員からは、医療機関の受診につながるのか疑問視する意見があがり、結論を持ち越した。
穿刺血を用いたOTC検査薬について部会が取り上げるのは昨年9月以来。業界2団体は前回会合での意見を踏まえて具体案を示し、▽抗血栓薬の服用者や出血性血液疾患の患者などには販売しない▽高度管理医療機器の継続研修を受けている薬剤師が販売する▽店頭で薬剤師がチェックシートを使って販売の可否を判断する―などの運用を提案した。仕事が忙しくて受診を先延ばししている、健康に自信があり健診を受けないなどの人たちを販売のターゲットに想定し、医療機関の適切な受診につなげることが目的だなどと訴えた。
しかし日本医師会常任理事の宮川政昭委員が強く反対。「時間がない、面倒だと健診を受診しない人たちを適切に医療機関につなぐことができなければ全く意味がない」とし、穿刺血によるOTC検査薬ではなく健康に対する意識の啓発こそが重要だと強調した。