日本臨床一般検査学会が、自らが運営する専門・認定腎臓病検査技師の資格取得を呼びかけている。資格は、診断から治療、その後のフォローアップまで腎臓病の総合的な知識を持つ臨床検査技師の育成が目的。CKD(慢性腎臓病)や腎代替療法などの患者のチーム医療に加わり、検査の立場から患者個別指導に関わり医師のタスクをシフトできる人材を増やしていきたい考えだ。
専門、認定、単位履修修了の3つの資格からなる認定制度で、腎臓病に特化しているのが特徴。2022年9月の制度創設後、初めてとなった昨年の審査で認定技師7人、単位履修修了技師1人が誕生した。今年2月に第2回の認定試験が予定されている。
このうち認定腎臓病検査技師は、検査技師歴5年以上、2日間の指定講習会に参加、直近5年間の自験例10例の提出―などが要件。年1回行われる筆記の認定試験に合格し、審査を経て認定される。
●「尿検査の価値高まる」
認定制度の特徴は、一般検査にとどまらない幅広い知識を求める点にある。
受講が必須の指定講習会(2日間)は、臨床検査技師のほかに医師や薬剤師、管理栄養士、臨床工学技士が講師を務め、治療や食事管理、薬学的管理など幅広い内容となっている。腎代替療法における検査値の判読についての講義もあり、同学会ワーキンググループ委員で自身も認定資格を持つ筑波大学附属病院検査部の横山千恵氏は、検査技師にとって他職種からの講義を聞く貴重な機会と話す。
横山氏は、「資格を取るだけでも検査技師としての自分の価値を高められる。検査値に深く関わる要素について知識があればもっと広い範囲で患者さんの診療に貢献できる」と話し、資格取得により尿検査の付加価値を高められると指摘する。腎臓病内科から検査部に依頼があり、認定資格を持つ横山氏が近くCKD入院患者への検査説明を病棟で始める予定だという。
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