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包括的なリスク管理チャートを改訂 動脈硬化学会

  • mitsui04
  • 10 時間前
  • 読了時間: 2分

更新日:11 分前


ガイドライン委員長の塚本和久氏(帝京大学)改訂内容を説明した
ガイドライン委員長の塚本和久氏(帝京大学)改訂内容を説明した
 日本動脈硬化学会は8月8日、東京都内で、7月に公表した「脳心血管病 発症予防のための包括的リスク管理チャート2025年版」についてプレスセミナーを開いた。管理チャートは、主にプライマリケアの医師向けで、健診などで異常が見つかった患者などに対し、複数の脳心血管病リスクを管理するツールとして用いる。2025年版では、実臨床の場でより活用しやすいよう内容を必要最小限に限定する一方、専門医に速やかに紹介すべき検査の基準などを掲載し、安全な医療を考慮した。

 管理チャートは、脳心血管病の発症予防が目的。改訂は2019年版以来で、動脈硬化学会が中心となり、ほか16学会と共にまとめた。各学会のガイドライン改訂や新たな薬剤などを反映させ、内容を大幅に見直した。動脈硬化学会のホームページにPDF版を掲載するほか、日本医師会雑誌の9月号に約13万部を同梱して医師会員に配布する。

 2025年版では、段階を追って診断や診療を進めていく全体構成を踏襲しつつ、実質的に8段階になっていたステップを5段階に整理した。

 基本的な診察や検査を行う「ステップ1」から始め、高血圧や糖尿病などのリスク因子を診断する「ステップ2」、管理目標を設定する「ステップ3」、生活習慣の改善を指導する「ステップ4」、薬物療法の「ステップ5」と進めていく。専門医リストやガイドラインにつながるQRコードを掲載し、ネット環境があればその場で紹介先などを確認できるようにした。

 このうちステップ1では、問診や身体所見のほかに、TC(またはLDL-C)やHDL-C、TG、HbA1Cなどの13項目の検査を行う。検査の結果、尿ケトン体強陽性や、LDL-Cが200mg/dL以上などは専門医に速やかに紹介する。

 口渇や多尿、尿ケトン体が出ている患者に対し、本来投与すべきではないSGLT-2阻害薬が用いられる事例があるという。このため、早期に専門医に紹介されるよう、紹介基準の中に「尿ケトン体強陽性(1型糖尿病疑い)」を追加した。

 ステップ2では、高血圧や脂質異常症、CKDなど7つの疾患のリスクを診断する。高血圧は140/90mmHG以上、糖尿病は空腹時血糖が126mg/dL以上、脂質異常症はLDL-Cが140mg/dL以上などの診断基準を示した上で、必要に応じてそれぞれ検査項目を追加する。
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